「PVScope」で変わる太陽光発電の検査業務
東北電力株式会社と株式会社アイテスが共同開発した新システム「PVScope(ピーブイスコープ)」が、この度業界に革新をもたらします。このシステムは、ソーラーパネルの不具合を日中の屋外環境においても検出することができる画期的な技術で、企業や団体向けに本日から販売が開始されました。
これまでの課題を解決する技術
従来、ソーラーパネルの不具合を検査する際には、暗い環境や夜間で行う必要がありました。このため、検査のタイミングや場所にさまざまな制約が課題となっていました。しかし、この「PVScope」によって、日中の陽光のもとでも確実に検査を実施できるようになります。
このシステムを活用することで、太陽光発電所の運転を停止することなく、リアルタイムで検査を行えます。これにより、稼働時間を最大限に活かしつつ、迅速な不具合の発見が可能となるのです。
高精度な検査を実現
「PVScope」は、フォトルミネッセンス(PL)検査と呼ばれる技術を応用し、ソーラーパネルに光を照射。その際に内部から発せられる微弱な発光を解析することで、結晶欠陥や劣化状態を特定します。高精度な画像解析技術により、現場で即座に不具合の有無を確認できます。これにより、不具合を早期にキャッチし、発電効率を維持する手助けが可能となります。
さらに、ドローンなどの活用によって、広範囲にわたるソーラーパネルの検査もスムーズに行えるストレスフリーな運用が期待されています。新興技術であるペロブスカイトソーラーパネルにも対応可能という点も、大きな魅力といえるでしょう。
今後の展開と目標
東北電力とアイテスは、2021年から続けていた共同開発を通じて、システムの商業化に成功しました。今後はアイテスが製造と販売を担当し、2030年までに50件の導入を目指すとのことです。
また、両社はこの新技術を通じて、業務の効率化を図りながら、持続可能なスマート社会の実現に貢献していく方針です。太陽光発電は、今後ますますエネルギーの重要な一部となる中、この「PVScope」がどんな革命を引き起こすのか、期待が高まります。
販売概要
- - 販売価格:1,600万円(税込)
- - 販売対象:企業・団体向け
新たな検査技術「PVScope」、今後の展開に注目です。