ストーリーライン株式会社、資金調達を通じて新たなコーヒー文化を築く
ストーリーライン株式会社は、日本政策金融公庫と仙台銀行からの資金調達を行い、事業展開を加速させます。この資金は、東北大学と共同で開発中の独自のカフェイン除去技術「ZEN Craft Decaf Process™」の研究と技術開発を進めるための運転資金として使用されます。
目的はカフェインコントロール
「ZEN Craft Decaf Process™」を通じて、ストーリーラインはカフェイン含有量を0%から100%まで自由に調整できる新しいサービスを提供することを目指しています。これにより、従来の「あり」か「なし」かの選択肢から脱却し、消費者の好みに応じた多様なカフェインコーヒーを楽しむことが可能になります。これまでのデカフェは一部の消費者に限られていましたが、カフェインを選択的に除去する技術により、幅広い層にアピールできるチャンスが生まれます。
資金使途と事業拡大
今回の資金調達により、令和5年度の成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)に基づく研究と体制強化が図られます。さらに、量産化試験フェーズに向けた体制の強化や、新規事業「CHOOZE COFFEE for BIZ」の法人向けサービスの構築にも注力していきます。
安藤真晴COOは「この融資は、我々の研究開発や事業化を促進するために必要不可欠」と語り、資金調達における支援の重要性を強調しました。
新たな市場の開拓
ストーリーラインは、超臨界CO2流体技術を活用して、コーヒー市場に新たな文化をもたらそうとしています。具体的には、CO2を使って豆の風味を保持しつつ、カフェインを効果的に除去する方法を採用しており、この技術の実用化が進めば、カフェインを気にする全ての人々に新しい飲み方を提案できます。
近い将来には、コーヒー生産国での量産を計画し、国際的な市場での競争力を高めることを目指しています。これによりカフェインレスコーヒーの市場がさらに拡大することが期待されています。
企業の成り立ちと今後の展望
ストーリーライン株式会社は、2018年に設立されたディープテック系のスタートアップで、持続可能な未来を目指して新たな技術の開発に取り組んでいます。また、東京・日本橋にある実証店舗「CHOOZE COFFEE」では、顧客がカフェイン量を選べる独自のメニューを提供し、消費者への啓蒙活動も強化しています。
今後、ストーリーラインは次世代のコーヒー文化の創造を目指し、革新的なアイデアを具現化していくでしょう。カフェインに対する消費者の意識の変化を捉え、より多くの人々に愛されるサービスを提供し続けることで、新たな顧客層を開拓し、業界のリーダーとしての地位を築いていくのです。