ブリの人工種苗出荷
2025-12-01 15:17:01

ブリ人工種苗の初出荷を迎えるマリンバースが目指す海洋環境の保護

マリンバースの新たな挑戦



株式会社マリンバースは、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)と株式会社拓洋の共同出資により設立された企業です。マリンバースが開発したブリの人工種苗が、2025年6月より養殖事業者向けに販売を開始することが発表されました。また、このブリ人工種苗は、夏の高水温期でも順調に育成されているとのことです。

ブリ養殖の現状と課題



ブリは、日本国内で非常に重要な養殖魚の一つですが、種苗の供給の多くは天然に依存しています。特に、ブリの産卵期は春から初夏にかけて(おおよそ4月から7月)と限定されているため、天然の種苗は時期や環境要因に大きく影響を受けます。近年の地球温暖化の影響もあり、海洋環境は変化し、天然種苗の漁獲量も不安定さを増しています。

このような背景から、マリンバースは天然資源を保護しつつ、安定したブリの調達を可能にするための完全養殖の実現を目指し、研究を重ねてきました。2024年には人工種苗の生産テストに成功し、2025年には初めての販売を迎えることになりました。

高水温期を乗り越える成育



マリンバースのブリ人工種苗は、特に7月から9月にかけての期間、夏の高水温に耐え、順調に成育中です。この成功は、持続可能な水産資源の確保に向けた重要な一歩です。さらに、この人工種苗の一部は、三重県の株式会社尾鷲物産によって養殖され、2027年を目標にF&LCが運営する「スシロー」店舗で販売される予定です。

完全養殖の未来



マリンバースは、ブリの完全養殖の実現に向けたサイクルを構築する考えです。養殖されたブリが成魚へ成長し、その親魚から採卵・孵化して新たな種苗を育てることで、持続可能な水産資源の確保と天然資源の保護の両立を目指しています。また、養殖された水産物の育成環境を管理することで、品質のコントロールも可能となり、顧客に安定した品質の魚を提供できる点も大きな魅力です。

マリンバースの歩み



2022年4月の設立以来、マリンバースは様々な取り組みを行ってきました。ブリの前に、拓洋の技術を使ったマダイの人工種苗の販売を開始し、現在では複数の養殖事業者と情報交換を重ねています。特に2024年には、広島大学との共同研究により、ブリ人工種苗のDNA解析を開始し、今後の研究開発へつなげていく予定です。

最後に



マリンバースの取り組みは、持続可能な水産業を実現するための新たな一歩であり、業界内外からの期待が高まっています。今後も美味しく、安全な水産物を提供できるよう、様々な研究や技術開発に力を入れ、消費者に満足していただけるよう努力を続けていくことでしょう。


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