NanoFrontierが新たな研究開発プロジェクトをスタート
宮城県仙台市に本社を構えるNanoFrontier株式会社は、公益財団法人みやぎ産業振興機構が推進する令和8年度「みやぎ型オープンイノベーション推進事業」に採択されました。このプロジェクトは、産業の高度化や新たな技術開発を目指し、地域の中小企業と大学や公的な研究機関が連携して行うものです。特に、NanoFrontierは有機ナノ粒子の合成と分散に関連する研究に取り組むことになります。
採択の背景
有機ナノ粒子は、医薬品の製造から電子材料、エネルギー分野、環境センサーに至るまで、多くの産業での応用が期待されています。この市場は急速に拡大しており、2033年には約545億USDに達すると予測されています。しかし、これらの材料に関する合成技術は分野ごとに異なり、統一的な基準やデータが不足しているという課題も存在しています。これに対し、NanoFrontierは、東北大学で30年以上の研究成果を基に、有機ナノ粒子の生成技術とAI、ロボット評価を取り入れた自動化パイプラインを構築しています。
この強みを活かし、同じく東北大学の多元物質科学研究所と協力し、これまで体系的に整理されてこなかった合成・分散技術のデータを整理し、産業応用の発展に寄与することを目指しています。
研究会の概要
本研究会は令和8年7月から令和9年2月までの8ヶ月間にわたり、以下の四つの主要な活動を行います。
1.
文献・特許調査とデータベースの構築
有機ナノ粒子合成に関する文献や特許情報を収集し、スクリーニングデータベースを構築します。これにより、各種材料の製法や分散条件を比較できるようにします。
2.
新規合成プロセスの設計・提案
スクリーニング結果をもとに、少なくとも2件の新たな合成プロセス案を設計・提案します。
3.
サンプル取得と物性確認
設計した合成プロセスに基づき、サンプルを取得し、粒径や形状、結晶性などの基礎物性を確認します。
4.
研究計画の策定
最も有望な応用ケースを選定し、次年度のJST A-STEPに向けた研究計画を作成します。
実施体制と紹介
本プロジェクトは、NanoFrontierが全体を統括し、東北大学多元物質科学研究所が研究指導や設備提供を行う形で進行します。両機関は既に緊密な連携関係を持ち、共同研究の実績もあるため、効率的に研究を進めることが期待されています。
今後の展望
本プロジェクトを通じて構築されるスクリーニングデータベースと概念検証データを元に、次年度のJST A-STEPへの応募を目指します。さらに、令和10年度以降には、各応用分野での製品化や事業展開を進めることで、地域産業の振興にも貢献していくことを目指しています。
代表者からのコメント
代表取締役の井上誠也氏は、「この採択を非常に嬉しく思います。有機ナノ粒子合成の分野における体系的な整理は、今まさに世界的に求められている課題です。豊富な研究成果と弊社の自動化技術を融合させ、この領域のプラットフォームを構築していきます。本プロジェクトを通じての成果を元に、次年度以降の応募や事業化へ向けてしっかりと進めてまいります」と述べています。
会社概要
NanoFrontier株式会社は、東北大学との連携を基盤に、有機ナノ粒子技術を用いた研究開発を進めています。具体的には、試薬品や機能性材料の製造・販売や、製造受託、技術ライセンスなど、多岐にわたる事業を行っています。
公式ウェブサイト:
NanoFrontier株式会社