日本初の二階建て3Dプリント住宅が完成
2025年11月7日、宮城県栗原市にて日本初の二階建て3Dプリント住宅プロジェクトが遂に完成しました。株式会社築(KIZUKI)と株式会社ONOCOMは、多数の企業の協力のもと、この革新的な住宅を実現しました。このプロジェクトは、熟練職人の減少や人手不足など、日本の建設業界が直面する課題を解決するための新たな選択肢として大きな注目を集めています。
建設業界の課題と3Dプリンティング技術の役割
日本の建設業界は、職人の高齢化や労働力不足という深刻な状況にあります。しかし、3Dコンクリートプリンティング(3DCP)技術は、工期の短縮やコスト削減といった利点から、注目を集めています。これまで国内での利用は「平屋」に限られていましたが、今回のプロジェクトにおいては多層階の建築が実現されました。
多層階の3Dプリンター住宅の実現
国内初の試みとして、3Dプリント技術を用いた二階建て住宅が完成しました。従来の3Dプリントでは、主に平屋に限定され、構造的な強度や安全性の課題がありましたが、本プロジェクトによりこれらの克服が証明されました。この取り組みでは、基礎から2階建ての構造体までを一体で印刷することで、これまでの建築工程を大幅に短縮し、また新たな設計の自由度も提供しています。
先端技術の融合
この住宅は、3DCP技術を駆使して生まれる「多機能壁」を採用しています。この構造は、デザイン機能と設備配管を一体として形成することで、施工工程を大幅に削減し、施工ミスのリスクも軽減しています。また、内装には樹脂系3Dプリンターによるキッチンやインテリアが採用され、テクノロジーとデザインの融合が見事に実現されています。
未来の住宅とその可能性
今や、単に住宅を建てるのではなく、技術を駆使した持続可能な住環境の構築が重要です。この5年間で、住宅価格が下がれば一般消費者へのアクセスも容易となり、民間企業がこの技術を取り入れるポテンシャルがあると考えられます。また、技術が安定すれば、同じ品質の住宅を効率的に大量生産することができるようになります。
各企業の役割と未来像
株式会社築とONOCOMは、この技術を基盤に防災、インフラ、さらには国際展開も視野に入れた事業展開を進めています。特に海外市場、例えばフィリピンなどではSOCOBOD社と連携し現地に合った技術開発を進めています。「競争から共創へ」を合言葉に、これからの建設業界が目指すべき道を模索しているのです。
まとめ
一戸建て住宅においても、今後3Dプリンティング技術の革新が進めば、持続可能で効率的な建設が実現できると予測されます。このプロジェクトは、未来の住宅建設に向けた大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。今後も、さまざまな企業と連携し、さらなる技術の進化が期待されます。