地産地消でつくる港町の家
宮城県塩釜市に位置する「地産地消でつくる港町の家」は、株式会社杜設計が手掛けた新しい住宅のモデルです。この住宅は2025年度グッドデザイン賞を受賞するなど、高く評価されています。
地域とのつながりを大切にした家づくり
この家は地元の花火大会を楽しむことができる特別な立地に建てられています。施主の若いご夫婦は「暮らしの中で季節が楽しめる住まい」を求め、杜設計とのコラボレーションでこの家を実現しました。
地域材として「南三陸杉」を使用しており、その伐採には施主も参加する機会があります。この企画は「伐採式」と呼ばれ、皆で地域材を伐採することで地元の森や林業への理解を深め、地域との絆を強化するのです。施主自らが手掛けた南三陸杉は、家の梁や柱として息づくことになります。これにより、家に対する愛着が自然に育まれ、持続可能な家づくりの活動にも一つの貢献となっています。
季節を楽しむデザイン
設計テーマ「暮らしの中で季節が楽しめる住まい」に基づき、家の空間はゆるやかにつながったワンルームのようにデザインされています。パッシブデザインを採用し、大きな窓からたっぷりと自然光が差し込み、開放的な空間を実現しています。住まいの中では四季折々の景色を楽しむことができ、家族が集う心地良い空間が醸成されています。
機能性と快適さ
厳しい冬を乗り越えるため、家の中心に薪ストーブを配置しています。この薪ストーブは、周囲に地元の「秋保石」を使用することで、地域の素材を活かした温もりのある空間を作り出します。これにより、自然と人が集う居心地の良い場所が生まれており、家族がより親密に過ごせる環境が整っています。
選ばれた理由
この住宅の評価ポイントは、地域材の活用と住民参加型の家づくりにあります。建て主が地域の生業や林業を学ぶことができ、持続的な生産の重要性を広めることができる試みが、大きく評価された結果の受賞です。
設計者の思い
杜設計の代表は、「地域に寄り添う家づくり」にシフトしてから3年ほど経つことを述べています。SNSやAIの影響が広がる中で、家づくり本来の意義を再認識し、施主と共に体験を通じて理解を深めることができたと語ります。伐採式を通じて施主に地域材の大切さを感じてもらい、その結果として受けた高い評価に感謝しています。
受賞住宅情報
「地産地消でつくる港町の家」は、新しい暮らしのスタイルを提案するモデルとして今後も多くの方に影響を与えていくことでしょう。詳しい情報は、受賞住宅の施工事例ページでご覧いただけます(
こちら)。
株式会社杜設計について
宮城県仙台市に本社を置く株式会社杜設計は、「お客様とともにつくる家」を理念に、住宅の設計から施工までを一貫して手がけています。地域に根ざした家づくりを重視し、理想を実現するための支援を行っています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
このように、地域との密接な関係を築きながら、快適で機能的な住まいを実現する「地産地消でつくる港町の家」は、未来の家づくりの一つのモデルとして注目を集めています。