仙台企業が台湾芸術大学と連携し工芸プロデューサー育成プログラム開始
宮城県仙台市を拠点に活動する株式会社コミューナは、台湾の名門校、国立台北芸術大学(以下:台北芸大)と手を組み、次世代の工芸プロデューサーを育てる新たなプログラムを開始しました。このプログラムは「無形文化資產微學分學程」と呼ばれ、2025年の10月から約半年間に亘って実施されます。
背景と目的
このプログラムは、台湾の伝統工芸を未来に繋げる人材を育成するために始まりました。代表の齋藤高晴が担当する「藝創組」では、日本で培った地域工芸の知見を活かし、台湾の優れた工芸品を海外に展開する方法を学びます。これにより、日本と台湾の工芸の新たな可能性を探ることが目標です。
プログラムの構成
本コースは、伝統技術を磨く「技藝組」と、工芸の企画や販売を担当する「藝創組」の二つで構成されています。齋藤は後者を担当し、工芸のマーケティングやブランディングに関する実践的なノウハウを教授します。また、関連会社である合同会社奥心舎が運営する越境ECサイト「奥心舎」を通じて、実際の販売を体験できるプラットフォームも提供されます。
実践的な学び
このプログラムでは、学生は自ら台湾の工芸品を選び、企画を立て、実際に販売するまでの一連のプロセスを経験します。特に、2026年1月にはフランス・パリでの販売会に参加する機会も設けられており、国際的な舞台で自分たちのアイデアを試すことができます。パリでの実績は、学生たちの将来に大きな価値をもたらすでしょう。
講師陣と授業形式
授業は齋藤の講義に加え、国内外から様々な専門家を招待し、多角的な学びを提供します。講義は10月と12月に台湾での集中講義が行われ、他の時間帯はオンラインで実施され、仙台やヘルシンキ、パリなどと繋がりながら柔軟な学習環境を提供します。
文化交流の重要性
このプログラムの背景には、2022年に開始された、コロナ禍にもかかわらず日本と台湾の職人たちがオンラインで交流を深めてきた経験があります。この交流を経て、今回のプログラムが実現しました。
株式会社コミューナの取り組み
株式会社コミューナは、翻訳、マーケティング、デザインなどの技術を融合し、多角的な事業を展開している企業です。海外向けの販路開拓を行う「奥心舎」を通じて、日本各地の工芸品を扱い、特に台湾市場への進出を目指しています。また、今後も地域や国境を越えた文化交流を進め、次世代の文化的価値を育んでいく意欲を持っています。
企業の成長とともに、地域の工芸文化も未来へと受け継がれることが期待されています。