45歳以上のミドルシニア世代を採用する企業の意識調査結果

近年、企業の人材採用戦略が大きく変化しています。特に、45歳以上のミドル・シニア人材の需要が高まっていることが、株式会社プロフェッショナルバンクの調査により明らかになりました。本記事では、その調査結果を詳しくお伝えします。

調査の背景と目的

株式会社プロフェッショナルバンクは、45歳から50代の人材の採用経験を持つ企業の経営者や人事担当者を対象に、ミドル・シニア人材の採用に関する意識調査を実施しました。本調査は、これらの人材が企業にもたらす価値や、採用戦略の変化についての理解を深めることを目的としています。

今回の調査には、1,013名の有効回答があり、結果がまとめられました。総務省の労働力調査からも、年齢別の転職者数が増加傾向にあることが確認されており、特に45歳以上の世代においてその傾向が顕著です。

調査結果の要点

1. 採用目的の変化

調査によると、ミドル・シニア人材の採用は「攻めの採用」を目的としていると回答する企業が多く、実に64.3%に達しました。この背景には、企業が事業を拡大したり成長を促進するために、即戦力となる人材を必要としているという声が反映されています。対して「守りの採用」を目的にする企業は54.7%で、両者を併せ持った企業も存在します。

2. 求人応募者の増加

ミドル・シニア人材からの応募者数について、約半数の経営者・人事担当者が「以前よりも増えた」と実感していると回答しました。これは、ミドル・シニア人材が市場での需要を高めていることを示す重要な指標です。

3. 採用強化への意欲

調査の結果、8割以上の企業がミドル・シニア人材の採用を「強化したい」と考えていることが判明しました。その主な理由として挙げられたのは、専門性や即戦力の獲得が約半数を占め、業界全体での採用戦略の重要性が高まっています。

4. 期待されるスキル・経験

企業がミドル・シニア人材に期待する内容としては、即戦力となる高度なスキル・経験や、組織マネジメント能力の発揮が挙げられています。このように、経験豊富な人材への期待は確実に高まっています。

採用の課題とリスク

一方で、採用に関する課題も浮き彫りになりました。最も懸念されるのは「給与や待遇面における他社員とのバランス」で、こちらは約35%の企業が不安要素として挙げています。また、ミドル・シニア人材に対する社会的先入観も根強く残っており、「新しいことに適応できなさそう」という印象が強いことも事実です。

まとめ

今回の調査結果は、ミドル・シニア人材が企業の成長を支える大きな力となる可能性を示唆しています。企業は彼らの即戦力としての価値を理解し、積極的に採用することで組織の活性化を図ることが求められるでしょう。今後は、ミドル・シニア人材が安心して活躍できる環境の整備と、適切な評価が重要となります。企業が採用する際に求めるスキルや文化にマッチした人材を見極める努力も、キャリア支援として求められるでしょう。そして、これらの調査を基にした具体的な戦略の策定が、今後の採用市場に新たな方向性を示すことになるのではないでしょうか。