650年の伝統行事「火伏せの虎舞」を未来へ継承するプロジェクトが始動

宮城県加美町「火伏せの虎舞」復活プロジェクト

宮城県加美町では、650年以上の歴史を誇る「火伏せの虎舞」行事が毎年行われています。この行事では、華やかな山車が3台、地元の小学生に引かれて町内を練り歩き、見る人々に感動を与えています。しかし、これらの山車は老朽化が進み、修繕が急務となっています。この伝統を次世代に受け継ぐため、加美町は25年8月から10月にかけて、目標金額200万円を募るガバメントクラウドファンディング®を開始します。

「火伏せの虎舞」とは

「火伏せの虎舞」は、宮城県加美町中新田地区で行われる重要無形民俗文化財であり、防火の願いを込めた伝統的なお祭りです。毎年4月29日に開催され、この日には虎の勇壮な舞が披露され、町内外から多くの観光客が訪れます。イベント当日は、山車が町を行進しながら、訪れた人々を楽しませます。

古い山車は中には戦前から使用されているものもあり、年々劣化が進行しています。特に、基盤や操舵部分の老朽化が顕著であり、このままだと祭り当日に山車が使用できなくなる恐れがあります。

クラウドファンディングの必要性

加美町では、数年前から山車修繕のための寄付を呼びかけてきましたが、目標金額には遠く及んでいないのが現実です。そこで、町民はもちろん、これまで訪れた来場者からも支援を受けられるよう、GCF®の仕組みを取り入れたのです。この取り組みを通じて、火伏せの虎舞の伝統を絶やさず、継承していくことを目指しています。

寄付金の使い道

集められた寄付金は、初午まつりで使う山車の修繕に全額使用されます。長年の伝統を守るためには、高額な費用が必要しますが、町の人々や支援者の心強い協力を得て、資金を集める努力をしています。

町長の思い

加美町の石山敬貴町長は、「火伏せの虎舞は650年以上にもわたり、この地で培われてきた大切な文化であり、次の世代へ引き継ぐための取り組みを進めていきます」とコメントしています。山車が修繕され、来年も多くの方々に楽しまれることを願っています。

GCF®について

ガバメントクラウドファンディング(GCF®)は、地域課題に対する解決策を提案し、寄付金の使い道を具体的に示すことで、寄付者の共感を得る新しい寄付の形です。この仕組みを通じて、地域のファンを生み出し、持続可能な地域づくりをサポートする効果も期待されています。2013年にスタートしたこの取り組みは、年々その数を増やし、寄付者からの支持を集めています。