セブン-イレブンとテレイグジスタンスがヒューマノイドロボット開発で新たな未来を切り開く

セブン-イレブンとテレイグジスタンスの新たなパートナーシップ

2023年、セブン-イレブン・ジャパンはテレイグジスタンス株式会社（TX）との間で、生成AIを活用したヒューマノイドロボット「Astra」の開発に関する包括的なパートナーシップを締結しました。この提携により、両社は小売業に特化したロボット技術の実現を引き寄せようとしています。

ヒューマノイドロボット「Astra」の役割

「Astra」は、AIを活用したロボット基盤モデルであるVLA（Vision-Language-Action）モデルを基に設計されており、2029年までにセブン-イレブンの店舗に導入される予定です。このロボットは、労働力不足を補うために様々な店舗業務を自動化し、特にレジカウンター内での業務を効率化することを目指します。これにより、店舗従業員は接客や売場管理など、より人間らしい業務に専念できる環境が整います。

店舗運営の変革

今後、店舗業務の現場で得られるデータとお客様のニーズを踏まえて、ヒューマノイドロボットのハードウェアやソフトウェアを進化させていく意図があります。このロボットが担う業務は、店舗のさまざまな業務を効率化することで、より多くのリソースを有効活用することを可能にします。さらに、ロボットと人間の役割を協力的に分担することで、セブン-イレブンの魅力を高めるとともに、お客様にとって新しい体験を提供します。

現在の課題とロボット導入

近年、小売業界は人材確保の難しさに直面しており、持続可能な店舗運営のためには省人化や効率化が急務となっています。このような背景から、今回のパートナーシップは特に意義深いものと言えます。セブン-イレブンでは、これまでにも業務の効率化に向け新たな設備を導入してきました。

3つの主要な取り組み

このパートナーシップのもとで、以下の3つの主要な取り組みが推進される予定です。

1. 業務の自動化: 技術的および経済的に見てロボットによる自動化が可能な業務領域を特定し、その効果を検証します。
2. ハードウェアの開発: 現場の声を反映させたヒューマノイドロボットのハードウェア開発を行います。
3. データ収集と活用: VLAモデルの学習に向け、ロボットの動作データを大規模に収集し、実環境データを基にしたAIの実用化を目指します。

AIロボット協会との連携

また、テレイグジスタンスは、早稲田大学の尾形教授や東京大学の松尾教授などとともにAIロボット協会（AIRoA）とも連携し、大規模なデータセットの収集を進めていきます。このデータは、自律的に周囲を認識し行動するロボットを開発するための重要な鍵となるものであり、AIとハードウェアの一体化を図りながら実用的なロボットサービスの提供を予定しています。