焼鳥業界の脱炭素化を目指す、エターナルホスピタリティとSAF関連3社が基本合意

焼鳥業界が挑む新たな環境戦略

エターナルホスピタリティグループが持続可能な社会を目指す新たな挑戦として、国産SAF（持続可能な航空燃料）への再資源化に向けた基本合意書を締結しました。このプロジェクトには、日揮ホールディングス、レボインターナショナル、そしてSAFFAIRE SKY ENERGYの3社が参画しています。彼らの共同取り組みは、廃食用油を航空燃料に変換し、航空業界の脱炭素化に貢献することを目指しています。

基本合意の意義

エターナルホスピタリティグループが運営する焼鳥チェーン「鳥貴族」の338店舗から排出される廃食用油を活用することで、国産SAFを製造することが目指されています。具体的には、レボインターナショナルが店舗で集めた廃食用油を引き取り、SAFFAIRE SKY ENERGYが2025年から大阪府堺市に設置予定の国産SAF大規模生産プラントでこれを原料として使用します。日揮HDは、サプライチェーンを構築する役割を果たします。

この取り組みは、「焼鳥屋で世の中を明るくしていきたい」という企業理念のもと、持続可能な社会の実現に向けた一歩として位置づけられています。特に、廃食用油を再資源化することで、環境への負担を軽減しつつ、新たな価値を創出することが期待されています。

SAF（持続可能な航空燃料）とは

SAFは、従来のジェット燃料と異なり、バイオマスや廃食用油を原料にして生産されます。廃食用油を使用して製造されたSAFは、そのライフサイクル全体で約84％のCO2排出削減効果を持つと言われており、環境保護に寄与する重要な存在となっています。

鳥貴族の新たな挑戦

焼鳥チェーン「鳥貴族」は、1985年に創業以来、国産鶏肉を使用した焼鳥を提供してきました。特に、2014年からは主要食材の国産比率を高める「国産国消への挑戦」を実施し、2016年には使用食材全てを100%国産化しました。人気の「貴族焼」は、驚異的な支持を集めるメニューとして今も多くのファンに愛されています。

今回のプロジェクトのように、環境に配慮した取り組みは、会社の販売戦略だけでなく、社会への影響も考慮したものといえます。焼鳥業界がこうした施策を進めることは、他の業界への影響や行動を促すきっかけとなるかもしれません。

SAF事業の展望と今後の課題

日揮HDとそのパートナー企業によって構築されるSAFのサプライチェーンは、日本初の大規模なSAF生産を可能にします。2024年12月には製造設備が完工し、2025年4月からは調達した国産SAFが主要エアラインに供給される予定です。この取り組みにより、航空業界はますます持続可能な方向へと舵を切ることが期待されています。

ただし、今後の課題として、製造コストの低減や廃食用油の安定的な確保、消費者の認知度向上などが挙げられます。これらを通じて、エターナルホスピタリティグループは、焼鳥業界の未来を変え、新たな可能性を切り開いていくことでしょう。

このような動きを通じて、私たち一人一人が持続可能な社会の実現に向けたアクションを考えていくことが求められています。これからの取り組みにも注目しましょう。