宮城県の算数教育に革命、ベネッセのICT学習アプリ導入
宮城県では、新たに開始された「みやぎの算数教育改善プラン」に基づき、株式会社ベネッセコーポレーションが提供する小中学校向けオールインワンICT学習ソフト「ミライシード」のアプリが導入されました。特に注目されるのは、AIを活用したデジタルドリル「ドリルパーク」とCBT方式の単元テスト「テストパーク」です。
目指すは「算数教育の質の向上」
このプランは、宮城県内の小中学校における算数・数学の授業力を向上させることを目標としています。昨年度、県教育委員会は、教育改善のための新たな施策として、「みやぎの算数教育改善プラン」をスタートさせました。この取り組みにより、算数教育の質向上を目指す全県的な授業改革が進められています。
「ミライシード」に搭載されたアプリの活用により、学校現場では、児童生徒の状況をリアルタイムで把握し、 個別最適な学びを実現できる環境が整います。まず、授業中には「テストパーク」を利用して即座に自動採点の単元テストを実施、つまずきの多い部分を迅速に分析します。その後、放課後や家庭学習の時間には「ドリルパーク」を用いて、学習内容の個別指導を行う流れが確立されます。
「テストパーク」と「ドリルパーク」の特徴
テストパーク
「テストパーク」は、授業中に生徒の学力を評価するための主要単元確認テストをCBT方式で実施できます。このシステムは、採点時間を大幅に短縮し、テスト実施にかかる業務負担を軽減することが期待されています。従来の方法では、採点に34.5分かかっていたものが、このシステムを用いることで9.4分に短縮され、返却も即時可能になるのです。これにより、生徒はテスト後の復習を早期に行える環境が整うのです。
ドリルパーク
一方で、「ドリルパーク」はAI搭載のデジタルドリルで、生徒の学習履歴から習熟度を分析し、それに応じた問題を提供します。この個別の学習スタイルは、生徒が苦手な部分を克服し、得意な部分ではさらなるスキル向上を図るための力強いサポートとなります。2025年4月からは、中学生向けのコンテンツも強化され、新たなドリルが追加される予定です。
教員の負担軽減と教育の質向上
教育委員会の担当者は、この取り組みを通じて教師の指導負担を軽減し、生徒一人ひとりに寄り添った指導が可能になることを期待しています。AIによる迅速な評価と個別対応によって、教師が生徒とやり取りする時間を増やし、よりクリエイティブな授業設計に注力することができるようになるといいます。
宮城県教育委員会の期待
宮城県教育委員会は、これらの施策を通じて算数・数学の学習がより楽しめるようになること、そして論理的思考力が育まれることを目指しています。教育界が直面する新たな課題に立ち向かうため、AIを活用した教育手法が期待されているのです。これは、教師と生徒の双方にとって、より良い学びの環境を提供する重要な一歩と言えるでしょう。
まとめ
このように、ベネッセの「ドリルパーク」と「テストパーク」は、宮城県の算数教育の質を向上させるための重要なツールとなります。それぞれのアプリが連携して活用されることで、教師の負担が軽減され、生徒の学びが深化することが期待されています。今後の進展に注目です。