医師の定年問題とセカンドキャリアの不安、約80%が就労継続を希望

医師の定年問題とセカンドキャリアに関する調査

最近、医師の定年及びセカンドキャリアに対する意識に関する調査が行われ、興味深い結果が明らかになりました。この調査は、株式会社メディウェルが実施し、全国の医師1,871名が対象となっています。医師の定年に関する制度や意識を知ることで、今後の医療体制を考える契機になるかもしれません。

定年制度と就労意欲

調査結果から、医師の主たる勤務先の54.8%が定年制度を持つことがわかりました。特に大学病院では82.7%と高い割合を示しており、病院に比べてクリニックでの定年制度の導入は少ない傾向にあることも明らかになっています。また、医師の定年年齢に関しては、65歳以上が全体の65.2%を占め、一般企業の定年年齢である60歳よりも高いことがわかります。

さらに、69.7%の医師が定年後の再雇用または勤務延長制度があると答えています。これは、医師たちが定年後も働きたいと考えている表れでもあります。実際に調査を受けた医師の約80%が65歳以上も働き続けたいと希望しています。

理想的な働き方とその不安

医師が定年後に望む理想的な働き方は、「業務負荷が軽く、かつやりがいがある仕事」であると多くの回答が寄せられました。その具体的な要望としては、業務負荷があまり忙しくないこと（62.9%）、業務内容にやりがいがあること（51.6%）、勤務日数や勤務時間の柔軟性（50.5%）などが挙げられています。

ただし、医師たちは自身の体力や健康面、さらに長期的に働ける職場を見つけられるかについても多くの不安を抱えていることがわかりました。特に、自身の体力や健康に対する不安は70.2%に上ります。これは、医師という職業の特性上、体力が求められる面が大きいことを示しています。

医師の意見、定年に対する賛否

自由回答では、医師たちが定年についてどのように考えているかも浮き彫りになりました。一部の医師は、年齢や能力に基づいて判断すべきだとする意見もあり、周囲の医師たちの経験から、定年制度の必要性を訴える声も多く見受けられました。しかし、一方で知識や経験が豊富な医師が若年層の資格に応じて退くことはもったいないとの意見もあり、定年制度への賛否が分かれる結果となっています。

結論

今回の調査は、医師たちの定年やセカンドキャリアに対する意識を明らかにする貴重なデータとなりました。今後、高齢化が進む中で医療人材をより有効に活用するためには、医師が安心して働き続けられる環境を整備し、充実したセカンドキャリアを支援する施策が求められます。医療業界全体が直面する課題として、この問題に対する効果的な議論が期待されます。