医師が語る病院選びの基準
近年、医師たちが病院を選ぶ際に「クチコミ」の重要性が高まっています。株式会社メディウェルが実施した調査によると、1,662名の医師のうち、約66%が病院選びにクチコミを参考にしていることが分かりました。この結果は、医療業界におけるクチコミの信頼性や重要性についての新たな視点を提供しています。
医師が重視する情報源
「クチコミ」と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。調査結果によれば、医師が勤務先を決定する際に最も信頼する情報源は「知人や同僚医師からの意見」であることが分かりました。また、受診先を選ぶ際にも同様の傾向が見られ、信頼できる医療従事者の意見を重視する姿勢がみられました。
医師たちがクチコミ情報をどのように位置付けているのか、調査結果を見ていきましょう。勤務先選びで「クチコミ」を参考にした医師は225名中225名、受診先選びでは331名中193名がこの情報源を利用しています。インターネットで得られる情報よりも、実際に顔を合わせたことのある医療関係者からの声を優先する傾向が浮き彫りになりました。
クチコミの信頼性
ただし、クチコミの信頼性には疑問が付きまといます。調査に参加した医師たちの中には、インターネット上のクチコミには「誇張や偏見が多い」と感じている人も少なくはありません。多くの医師が「結局、自分の目で確かめることが重要」と話しており、実際に働いている環境や患者としての体験が必要だと強調しています。
医師の勤務先選びの条件
その一方で、医師たちが「働きたい」と感じる病院の条件についても、調査結果から見えてきます。特に重要視されているのは以下の条件です:
- - ワークライフバランス(96.4%)
- - 給与・福利厚生(94.8%)
- - 医師やスタッフの体制(90.0%)
特に若手医師や女性医師は、給与やアクセスに敏感であることがわかっています。また、研究や大学医局との関係性は優先順位が低く、生活やキャリアが重視されています。
受診先の選び方
一方で、医師が「患者」として受診先を選ぶ際に重視する点についても興味深い結果が得られました。特に重視されるのは:
- - 在籍医師の専門性(92.2%)
- - 立地・アクセス(89.9%)
- - 医師の人柄(88.4%)
ここでも、医師たちが求めるのは臨床能力であり、医師の出身大学や研究活動にはあまり関心を持たないという傾向が見て取れます。
医師たちの自由回答
調査の自由回答欄では「クチコミの重要性」や「インターネット情報に対する懸念」といった意見も寄せられています。「医者仲間の意見が最も参考になる」や「結局は自ら確認することが肝要」といった声が多く、医師たちが実際に病院を訪れる重要性が強調されているといえます。
まとめ
この調査は、医師たちの病院選びにおける基準や、クチコミに対する考え方を理解するための貴重な資料となります。医療現場での実績や信頼できる情報源の重要性が強調される中、今後の医療業界における「クチコミ」の活用方法にも期待が寄せられます。