宮城から発信!金属3Dプリンターが粛々と導く月面着陸の未来
2025年に開催される大阪・関西万博で、特に注目を浴びているのが宮城県多賀城市に本社を置く日本積層造形株式会社(通称:JAMPT)が造形した「衝撃吸収材」です。この技術は、一見地味に見えるかもしれませんが、実は宇宙開発の最前線で大きな役割を果たしています。
SLIM - 小型月着陸実証機の技術
JAMPTが手がけた衝撃吸収材は、日本の小型月着陸実証機「SLIM」に搭載されています。この機体は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したもので、2025年1月に月面への初の軟着陸を実現することを目指しています。特に注目すべきは、SLIMの「ピンポイント着陸」能力。これは、着陸目標からたった55メートルの地点に機体を着陸させる技術で、非常に高い精度を誇ります。
このピンポイントの landing を実現するために必要不可欠だったのが、JAMPTが製作したアルミニウム製の衝撃吸収材です。3Dプリンターで造形されたこの部品は、軽量でありながら耐久性に優れ、着陸時の衝撃を自身が潰れることによって吸収するように設計されています。これにより、SLIMは月面着陸の激しい衝撃からしっかりと守られるのです。
大阪・関西万博での展示
この衝撃吸収材は、万博会場内の日本政府館「ファクトリーエリア」に展示されており、2025年10月13日までの184日間にわたり、多くの来場者にその目で確かめてもらえます。この展示では、日本の先進的なものづくりに対するアプローチが強調されています。
特に、素材の循環や壊れることで全体への衝撃を吸収するというコンセプトは、京都の「流れ橋」など、古くからの技術に基づいた“やわらかい”構造への意識を示しています。こうした伝統的な工法と最新技術が融合し、未来の製造業を形作る一端を担っているのです。
JAMPTの取り組みと未来の展望
JAMPTは、この金属3Dプリンティング技術を駆使することで、素材科学の最前線を切り開いています。特に、この技術は金型を必要とせず、自由な形状を造形できるため、多品種少量生産が求められる宇宙開発において非常に効果的です。これにより、開発のスピードも飛躍的に向上しています。
代表の大竹卓也氏は、金属3Dプリンティングが進む宇宙開発の加速を実感しており、未来の技術をここ東北・宮城から発信できることを誇りに思っています。万博では、この衝撃吸収材を通じて日本のものづくりの底力を見せつけ、新しい可能性を広げることを目指しているのです。
「未来の技術に触れ、その可能性を感じ取っていただければ」と大竹氏は期待を寄せています。
最後に
もし、大阪・関西万博を訪れる機会があれば、ぜひ日本政府館に足を運び、JAMPTの衝撃吸収材に触れてみてください。その技術が日本の未来を形作る重要な要素となっていることを実感するはずです。宇宙開発の新たな一歩を、宮城から一緒に応援しましょう!