一ノ蔵が「ふるさとの人づくり賞」を受賞
宮城県大崎市に本社を構える株式会社一ノ蔵は、最近、【第22回企業フィランソロピー大賞】において「ふるさとの人づくり賞」を受賞しました。この受賞は、東日本大震災復興支援プロジェクト「未来へつなぐバトン醸造発酵で子どもたちを救おうプロジェクト」の取り組みが評価された結果です。特に、同社が販売する『一ノ蔵特別純米原酒3.11未来へつなぐバトン』の売上全額を公益社団法人ハタチ基金に寄付する活動がその要因となっています。
プロジェクトの背景
2011年3月11日の大震災では、宮城県が甚大な被害を受けました。大崎市にある一ノ蔵も震度6強の揺れを経験し、その後の復興には大きな苦難が伴いました。震災直後、同社の社員は「沿岸部の子どもたちは勉強どころではない」という声に共感し、被災地視察を行いました。その結果、支援活動を始めることを決意しました。この思いが、「未来へつなぐバトン」として形になったのです。
具体的な取り組み
「未来へつなぐバトン」プロジェクトの詳細は、宮城県産の米を使用した特別純米原酒『3.11未来へつなぐバトン』の製造・販売です。この商品の売上全額は、東日本大震災で影響を受けた子どもたちへの教育支援として、ハタチ基金に寄付されています。これにより、震災当時0歳だった子どもたちが20歳を迎える2031年までの継続的な支援を目指しています。これまでに寄付した金額は、約8,000万円に達しており、その一部は支援を受けた学生が被災地で実施する「ご恩送り」活動にもつながっています。
表彰の意義
このような取り組みが高く評価され、企業フィランソロピー大賞の「ふるさとの人づくり賞」に選ばれたことは、地域社会への貢献の重要性を示しています。贈呈式は2025年2月28日に如水会館で開催され、一ノ蔵の代表取締役社長、鈴木整氏がプレゼンテーションを行いました。評価の根底には、震災から学び、次世代に支援のバトンを渡すという強い意志があったことが伺えます。
今後の展望
鈴木社長は「酒造りは人づくり、人づくりは心づくり」であると語ります。一ノ蔵は今後も「未来へつなぐバトン」を通じて、子どもたちの未来を支える活動に邁進していく考えを示しています。また、これまでの多くの支援者に感謝の意を表し、さらなるご支援と愛飲をお願いしています。
まとめ
一ノ蔵が受賞したこの栄誉は、単に企業の業績を挙げるものではなく、震災という苦難を乗り越える中で得られた地域社会への深い理解と、未来を担う子どもたちへの無限の愛情が込められた証です。企業の社会貢献活動が、如何にして未来を切り拓く力となりうるのか、今後も注目していきたいと思います。