最新技術で医療の未来を切り拓く!
仙台市では、医療と介護分野における新たな取り組みとして、可搬型オンライン会議システムやウェアラブルカメラの実証実験が始まります。この実証実験は、患者に対する医療サービスの提供方法を革新し、より多くの人々に質の高い医療を届けることを目的としています。
経緯と目的
2023年11月、仙台市は診療カーを用いたオンライン診療サービスの提供を開始しました。この診療カーには、電子医療機器やテレプレゼンシステム「窓」が搭載され、患者が自宅で受けられる医療サービスを重視しています。しかし、車いす利用者や寝たきりの患者にとっては、診療カーへの乗車は難しく、アクセスが制限されていました。
このような状況を打破するために、高精度で低遅延な可搬型オンライン会議システムの導入が模索され、患者が直接自宅に居ながらにして医療を受けることが可能になることを目指しています。このシステムによって、診療カーを利用できない患者にもオンラインで診療が行えるようになります。
また、訪問看護や介護の現場においては、看護職員と患者が一定の空間で1対1の関係になることから、ハラスメントや虐待のリスクが懸念されており、ウェアラブルカメラを使った安全対策も併せて検証する予定です。これにより、遠隔での見守りを通して、医療従事者の安全を保ちながら患者に質の高いサービスを提供することが期待されています。
実証実験の概要
実証実験は、2025年2月14日から3月14日までの約1か月間、仙台市内の医療機関、患者の自宅、および介護施設で行われます。具体的には、以下の2つの検証が行われます。
1.
オンライン診療への活用
- 寝たきりや車いす利用者といった診療カーに乗車できない患者への対応
- 可搬型オンライン会議システムを使用した自宅での診療実施
2.
安全対策への活用
- 訪問看護職員や介護職員の安全対策
- ウェアラブルカメラを利用したリアルタイムの遠隔見守り
参加団体とその役割
今回は、仙台市のほかに一般社団法人仙台市医師会やNTT東日本も協力し、充実した医療体制の確立を目指します。それぞれの団体が持つ専門知識や技術を組み合わせ、実証実験の成果を最大限に引き出すことが期待されています。
今後の展望
少子高齢化が進む中で、医療や介護の現場における人材不足が懸念されます。この課題を解決するためには、医療サービスの効率化や質の向上が求められます。仙台市は、オンライン診療の活用を進めるとともに、現場での安全対策を強化することで、医療・介護サービスを持続可能なものへと発展させることを目指しています。
本実証実験の成果を通じて、地域における医療・介護の質向上に寄与することが期待されています。