介護施設での園芸療法:心と体に寄与する新たな取り組み
宮城県登米市にある介護老人保健施設「南方ナーシングホーム翔裕園」では、利用者の生活リズムや精神状態を改善するために、園芸活動を取り入れた。今回はその取り組みと成果について詳しく解説する。
背景と目的
近年、施設内では昼夜逆転や不安感が増加しており、それに伴い利用者の意欲も低下していた。特に「畑仕事をしたい」との声が寄せられたことを受け、園芸療法による心理的・身体的な変化を研究することを決定した。園芸療法は、自然や植物に触れることでストレスを軽減させる効果があるとされ、1か月半の間に作付けから収穫までのプログラムを実施した。
研究プランと評価方法
研究は以下の三つの視点から行われた。まず、生活パターンを見守りセンサーを使用して測定した。次に、心理・身体・認知機能の評価を行うために、PCGモラールスケールやHDS-R、TUG、握力などの数値を記録した。そして、実際の園芸活動を作付け、水やり、収穫の三つのステップで実施し、研究前後での変化を検証した。
活動の流れ
1.
評価実施:研究開始前に利用者の心理・身体・認知機能を評価した。
2.
園芸活動の実施:利用者は毎日欠かさず水やりを行い、植物に対する愛着を育む活動を行った。これにより、利用者は自身の成長を感じることができた。
3.
最終評価:活動が終了した後、再度心理・身体・認知機能の評価を行い、改めて結果を分析した。
主要な成果
園芸活動を通じて、いくつかの心と体の改善がみられた。以下に主な成果を示す。
- - 生活リズムの安定:見守りセンサーのデータにより、日中の傾眠や夜間の中途覚醒が減少したという結果が得られた。
- - 心理面の変化:職員の観察によると、利用者の表情は明るくなり、笑顔が増加。活気が生まれ、「やりたい」という意欲が向上した。
- - PCGモラールスケール:初回は4点だったが、最終的に8点まで改善し、満足感や心理的安定が確認された。
- - 身体的変化:握力は「測定不能」から「測定可能」へと改善し、身体機能にも好影響を与えた。
課題と今後の展望
ただし、今回の研究は個別介入で実施したため、身体的機能や認知機能に大きな改善は見られなかった。この点は今後の研究において、集団での取り組みや介入時間の延長を図る必要がある。しかし、短期間での「生活の質(QOL)」の向上は大きな意義があると捉えられた。
まとめ
南方ナーシングホーム翔裕園での園芸活動は、単なるレクリエーションに留まらず、利用者に心理的安定や社会的役割を与える重要なアクティビティとして成功した。今後も、自然と触れあい、育てる喜びを感じられる取り組みを続けていくことで、利用者の生活をさらに豊かにしていく予定である。
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