仙台で開催された医療的ケア児家庭の対話イベント「ほのぴあ・リアル」の報告
2025年7月9日(水)、仙台市の泉区にある「まちづくりスポット仙台」で、医療的ケアを必要とする児童や重症心身障がいを抱える子どもを持つ家族のための対話イベント「ほのぴあ・リアル」が開催されました。このイベントは、社会福祉法人あいの実の主催のもと、仙台市障害者支援課と連携して行われ、総勢23名が集まりました。
医療的ケア児とその家族の声を発信
この対話イベントは、「ほのぴあ」プロジェクトとして初のリアル開催となり、参加者は申込者やその家族、カフェで働く母親やあいの実のスタッフ、仙台市の関係者、さらにはメディア関係者も含まれていました。参加者の年齢層は幅広く、30代から60代の方々が集まりました。子育て中の親から先輩ママまで、様々な世代の方々が集い、互いに持っている悩みや経験を語り合う温かな時間となりました。
「日常の困りごと」をテーマに
今回のテーマは「日常の困りごと」であり、見過ごされがちな日々の悩みについて参加者同士が輪になって意見を交換しました。議論は多岐にわたり、具体的には以下のような話題が挙がりました。
- - 医療的ケア児やきょうだい児がいる家庭でも、旅行や外食を楽しむための工夫について
- - 異常な暑さの中での体調管理の工夫
- - 子どもが心地よく過ごすためのさまざまな方法
これらの声は、ホワイトボードに次々と書き出され、共感を呼ぶ貴重な交流の場となりました。
ポジティブなエネルギーが満ちたイベント
参加者の中には“あきらめの空気”を持たない人々が大勢おり、「旅行に行ける工夫」「外食ができた成功体験」「新しい視点の提案」など、多くの具体的なアイデアが飛び交い、会場には前向きなエネルギーが漂っていました。「生活のクオリティを保ちたい」「もっと自由に、快適に」といった願いが込められた参加者の姿勢が印象的でした。
参加者からの声
参加者からは次のような感想が寄せられました。
- - 「すぐに共感し合えたので、今日は初めて会った気がしません」
- - 「他の方の体験を聞いて、旅行やキャンプに行けるかもしれないと思いました」
- - 「先輩たちの強さとパワーに感動しました」
- - 「素晴らしい企画をありがとうございます」
イベント終了後のアンケートでは多くの参加者が「また参加したい」と回答しており、新たなつながりへの期待が高まっています。
ほのぴあとは
「ほのぴあ」は、医療的ケアや重度の障がいを持つ子どもの育児を経験した母親たちによる、共感と支え合いのプラットフォームです。オンライン相談やInstagramライブを通じて情報を提供しつつ、リアルイベントを通じて顔を合わせて語り合う場をスタートしました。
社会福祉と医療現場に向けて
本プロジェクトは、制度の隙間に苦しむ家庭に対して光を当て、介護や社会福祉に関心を持つ専門家からも注目されています。参加者の「声」を元にした活動は、政策立案やサービス開発の参考になり得るものです。今後も「ほのぴあ」は、家族の対話を通じて地域と制度との架け橋であり続けることでしょう。
次回の開催や最新の活動レポートについては、ほのぴあの公式ホームページまたはInstagramをぜひご覧ください。