ファミリーマート、オンライン手話通訳サービスを導入
ファミリーマートが2025年11月に東京で開催される「デフリンピック」に先駆けて、業界初となるオンライン手話通訳サービスを導入することを発表しました。本サービスは、聴覚や言語に障がいのある方々に対して、安心して利用できる店舗環境を提供することを目的としています。
新たな取り組みの背景
ファミリーマートは、聴覚や言語に障がいのあるお客様が店舗に訪れるとき、快適に買い物を楽しむためのサポートを行う取り組みを進めてきました。2022年からは、レジカウンターに指差しシートやコミュニケーションボードを導入し、全国的にその拡大を図っています。この背景には、社会全体での多様性への理解を深める重要性がありました。
「デフリンピック」は、全ての人が共に生きる社会を築くための象徴的なイベントです。この機会を捉え、ファミリーマートはより一層、課題解決に向けた具体的な取り組みを進めています。
オンライン手話通訳サービスの詳細
このサービスは、特別なアプリのインストール不要で、店舗に設置された二次元コードをスマートフォンで読み取ることから始まります。お客様は、サービスに接続した後、手話通訳者を介してスタッフとリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。これにより、音声に頼らない円滑なやり取りが可能になり、ストレスのないショッピング体験を実現します。
サービス利用手順
1. 店舗に設置された二次元コードをスマートフォンで読み取る。
2. 表示された画面にお名前または店舗名を入力し、呼び出しボタンをタップ。
3. 手話通訳者に繋がり、通訳がスタートする。
スタッフ向け研修とマナーの向上
導入店舗のスタッフに対しては、手話の基本的な挨拶を学ぶ講習会や動画マニュアルを提供し、サービスの質を向上させる取り組みを行っています。これらの研修は、手話検定の資格を持つ社員によって監修されており、全てのスタッフが自己学習を通じてスキルを高めています。
さらに、ファミリーマートでは、「ユニバーサルマナーBOOK」を全ての店舗に配布しており、様々なお客様のニーズを理解し、対応できる力を養うことを目指しています。このマニュアルには、高齢者や障がい者、外国人、妊婦など多様な顧客層に対する配慮が盛り込まれています。
社会のニーズに応える取り組み
株式会社ミライロの代表、垣内俊哉氏は、2024年に施行される改正障害者差別解消法に関連して、民間企業でも障がい者への合理的配慮の提供が求められるようになったことを述べています。この流れの中で、ファミリーマートが新たな手話通訳サービスを導入することは、聴覚障がい者にとっても歓迎すべき動きと言えるでしょう。
一般財団法人全日本ろうあ連盟の山根昭治氏は、「デフリンピック」を契機に身近なコンビニで手話サービスが提供されることを嬉しく思っており、この取り組みが手話の理解促進に寄与すると期待しています。
おわりに
ファミリーマートは、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」という理念の下、地域に根ざした店舗作りを進めています。この新たな手話通訳サービスの導入により、すべての顧客が快適に利用できる店舗を目指して、さらなるサービスの向上に努めていきます。デフリンピックが成功を収め、同時に多様性が尊重される社会が実現することを願っています。