日本の水産業の未来を切り拓く
2023年10月5日、関西万博の「BLUE OCEAN DOME(ZERI JAPAN)」にて、
第6回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード(JSSA2025)の授賞式が行われました。本イベントは、「選んで守るサカナの未来 Week」の一環として実施され、持続可能性を重視した水産業の取り組みが一堂に集まりました。特に、厳選された7つのファイナリストから選ばれたチャンピオンと特別賞受賞者が、未来の水産業に向けた優れたプロジェクトとして表彰されました。
表彰されたプロジェクトの概要
リーダーシップ部門チャンピオン
循環型藻場造成『積丹方式』によるウニ増殖サイクルとブルーカーボン創出プロジェクトは、北海道積丹町において、磯焼けで減少した藻場の再生に成功し、ウニ資源を持続可能に活用する画期的な取り組みです。このプロジェクトは、2009年に漁業者の手により始まり、廃棄ウニ殻を肥料として再利用し、コンブ場の再生を実現。結果として、449 kgのウニ剥き身重量の増加と、6.4トンのCO₂削減を達成し、地域経済にも貢献しています。このように、多面的な利用と環境保全を同時に実現する取り組みは、他地域への展開が期待されています。
コラボレーション部門チャンピオン
続いて、
現場起点で日本の海の未来を考える『水産未来サミット』が、コラボレーション部門のチャンピオンに輝きました。このプロジェクトは、全国の漁業者、行政、研究者などが集まり、実際の議論から具体的なアクションを生み出す場を提供しています。初回のサミットでは120名が集まり15のプロジェクトが誕生し、今後さらに数多くの取り組みが展開される予定です。また、長期的な成果の可視化と方向性提示が求められています。
特別賞受賞プロジェクト
インドネシアからは、
インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト(AIP) 第三期が特別賞を受賞しました。国際的な協力により、持続可能なブラックタイガーエビ養殖モデルの構築が進められており、マングローブ再生などの環境保全活動も評価されています。このプロジェクトは、生態系の保全と地域の生活向上を同時に図ることで、アジア地域に新たな道を切り開く可能性が期待されています。
審査員の評価
審査員の一人である宮原氏は、過去最多の応募があったことに触れ、藻場再生や水産改革などさまざまな取り組みが集結したことを強調しました。「これらのプロジェクトが未来の水産業に持続可能な道を示していくことを期待します」と述べ、参加者へのエールを送りました。
特別なトロフィー
受賞者には、使用済み蛍光灯のガラス部分をアップサイクルして制作したトロフィーが贈られました。このトロフィーは、意匠性と持続可能性を両立させた特別なもので、未来を見据える水産業の象徴となることでしょう。
次回の展望
2025年には、さらなる取り組みとともに、海外でのプロジェクトも対象としたアワードが予定されています。持続可能な水産業の推進に貢献する多様なプロジェクトの参加を期待しています。公式サイトやSNSでの最新情報も要チェックです。
詳細については、
JSSA2025特設ページをご覧ください。