東北大学とインド工科大学ボンベイ校の連携機構設立
2023年4月15日、東北大学の片平キャンパスにおいて、インド工科大学ボンベイ校(IITB)との連携を強化するための「東北大学―インド工科大学ボンベイ校卓越連携機構(Joint Institute of Excellence:JIE)」の設立セレモニーが行われました。この新たなプラットフォームは、産学共創や国際的な学術研究の促進を目的としており、両大学の強力なパートナーシップを象徴しています。
セレモニーには、東北大学の冨永悌二総長や植木俊哉副学長を含む理事陣、教職員らが参加しました。IITBからも、評議会議長のシャラード・クマール・サラフ氏や学長のシレーシュ・B・ケダレ氏、さらには副学長のミリンド・アトレイ氏などが出席し、共同声明の署名を行いました。この声明には、教育、研究、そして産学共創の分野で両大学が協力して進める具体的な取り組みが示されています。
また、式典にはシビ・ジョージ駐日インド大使、奥野真文部科学省大臣官房審議官、藤木完治JSTさくらサイエンスプログラム推進本部長、青木一洋七十七銀行常務取締役などの来賓も参加し、祝辞を述べました。彼らの言葉には、両国の学術連携の重要性と期待が込められていました。
冨永総長は挨拶の中で、JIEの取り組みを通じてグローバルに活躍できる人材の育成と、災害科学、ロボティクス、半導体、AI、量子科学などの分野における卓越した研究の推進を目指すと述べました。さらに、産学連携の強化を図ることで、教育、研究、企業が相互に発展を促す好循環を生み出すことに言及しました。
続いて行われた関係者からの報告セッションでは、山口昌弘副学長が本学とIITBのこれまでの関係とJIEのビジョンを説明しました。また、災害科学での共同研究を進めるグリーン未来創造機構の小森大輔特任教授からは、その取り組みについての詳細や、ダブルディグリープログラムの実施に至る経緯が報告されました。さらに、IITBのセシュ教授は、JIEのもとで目指す多様な取り組みのロードマップを示し、今後の展望を語りました。
式典のクライマックスでは、今年3月に行われたショートプログラム「2025 IITB-TU Global Immersion Program」に参加した学生から体験談が発表されました。経済学研究科の岸田麻巳子さんと理学部の鈴木智也さんが、IITBの学生との交流を通じて得た貴重な経験について話しました。この交流により、異文化理解が深まり、多様な視点からの学びが促進されたことが伝えられました。
このように、JIEの設立を通じて新たな価値が創出されることが期待されています。地球規模の課題解決や日本とインドの持続可能な経済発展に向けた取り組みが進む中、両大学はさらに深い連携を築いていくことでしょう。
詳細については、東北大学の国際連携部国際企画課のウェブサイトをチェックしてください。