未来の建設業を切り開く!大阪万博の解体材再利用プロジェクト「旅するCLT」
未来の建設業を切り開く!大阪万博の解体材再利用プロジェクト「旅するCLT」
2025年に開催される大阪・関西万博では、日本政府館として注目される「日本館」が建設されます。このプロジェクトにおいて、積水ハウス株式会社は東京大学と連携し、「旅するCLT」と名付けた、解体材の再利用プロジェクトを発表しました。
「旅するCLT」とは?
「旅するCLT」は、解体材であるCLT(直交集成板)パネルを何度も再利用し、建築物の一部として全国各地で新たな生命を吹き込むという革新的な取り組みです。具体的には、一つの建物が解体された後、そのCLTパネルを別の建物や施設に再利用し、さらにその後も使われ続けるようなサステナブルなサイクルを築きます。
このプロジェクトの核となるのは、2024年に発表された“家がまた誰かの家に生まれ変わる”という理念に基づいた「循環する家」の実現を目指すものです。CLTパネルが持つ万博の記憶と歴史を大切にしつつ、新たな建築物としての価値を与えられることを企図しています。
プロジェクトの進行方法
「旅するCLT」では、まず東京大学のKUMA LABと協力し、解体材としてのCLTがどのように建築に再利用できるのか検証を重ねます。その後、建築物を全国に展開し、解体と再構築を繰り返す長期的なプロジェクトとして進められます。2027年以降には、具体的な再利用例が見られるようになる予定です。
このプロジェクトは、積水ハウスの寄付により設立された「国際建築教育拠点」において、東京大学の著名な教授陣が中心となり展開されます。具体的には、デジタルテクノロジーやファブリケーション技術を駆使し、解体材の設計や評価、流通システムの創出など、さまざまなアプローチで取り組まれることが期待されています。
どのようにサステナブルな社会を築くのか?
このプロジェクトは、循環型経済の推進にも寄与します。解体材の再利用を通じて、資源の枯渇を防ぎ、持続可能な社会を実現することが目指されています。再利用される建材には、感性価値や歴史も秘められており、単なる資源としてではなく、文化的な側面も重視されています。
これにより、新しい形の街づくりが進められ、地域の活性化が期待されます。地域経済にも寄与し、解体材を有効活用することで、地方創生にもつながるでしょう。
プロジェクトの期待と未来
「旅するCLT」は、ただの建材のリサイクルにとどまりません。技術革新により、今後の建設業界において持続可能性が重視される流れを創出し、若手建築家や学生たちへの教育の場ともなります。未来の住宅や施設がどのように進化するのか、私たちが期待を寄せられるこの取り組みは、建設業界の新たなスタンダードを確立する可能性を秘めています。
このように、積水ハウスと東京大学が協力する「旅するCLT」プロジェクトは、未来の環境と地域社会に寄与するための一歩であり、サステナブルな社会の実現に向けた重要な取り組みと言えるでしょう。