医療機器の安全管理を強化する石巻赤十字病院
石巻赤十字病院が、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の "IT Expert Services IoMTデバイスマネジメントサービス" を導入しました。このサービスは、院内にネットワーク接続された医療機器を含むIT機器を一括で可視化し、効率的に管理できる革新的なシステムです。
1. 導入背景
近年、医療機関におけるIoMT (Internet of Medical Things)の普及が進みつつある一方で、サイバー攻撃の脅威も増加しています。厚生労働省も2023年には医療情報システムのセキュリティ強化を指示し、医療機関はそれに応じた対策が求められています。しかし、多くの医療機関ではIT人材が不足し、機器の管理が分散しているため、十分なセキュリティが確保されていないという現状があります。
2. 石巻赤十字病院の課題
石巻赤十字病院では、多数の医療機器がネットワークに接続されていますが、その全体像を把握するのは困難でした。PCやサーバーのみならず、超音波診断装置や内視鏡なども含まれており、機器管理に多くの工数がかかる課題がありました。このため、効率的に機器を管理する仕組みが求められていました。
3. サービスの導入決定
今回導入したクラウド型のIT Expert Services IoMTデバイスマネジメントサービスは、ネットワーク通信を自動で監視します。これにより、各医療機器のOSやファームウェアのバージョン、脆弱性情報までを可視化。このシステムは専門知識がなくても簡単に操作できるため、導入がスムーズに行われました。
4. 導入効果
このサービスの導入により、院内の数千台に及ぶIT機器が自動で可視化され、管理されていなかった機器の把握も可能になりました。それぞれの機器はリスクスコアで数値化され、リスクの高い機器を特定しやすくなりました。例えば、機種名やソフトウェアの更新状況が明確になり、それぞれの機器に対して適切な対策を協議することができるようになりました。
また、各機器の稼働状況を可視化することで、使用頻度の低い機器や検査が集中している機器が明らかになりました。これにより、機器の更新や使用の偏りの見直しが進められ、医師や看護師の働き方改革にも繋がることが期待されています。
5. 総括
石巻赤十字病院の情報マネジメント課長である千葉美洋氏は、「本サービスのおかげで医療機器の情報が分かりやすく可視化され、部門間の連携が図れるようになった」と述べています。医療環境がますます安全になるよう、今後もセキュリティ意識を高めていく考えを示しました。
このように、最新技術を駆使した医療機器管理の導入は、石巻赤十字病院にとって大きな一歩となりました。この動きが、他の医療機関にも良い影響をもたらすことが期待されます。
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