東北大学メディカル・メガバンクの支援体制と活用事例
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、個別化医療や予防の研究を進めるための重要なプロジェクトです。この計画は、約150,000人の一般住民を対象に健康や生活習慣に関する情報を集約し、特に全ゲノム解析情報の量は世界有数の規模を誇ります。これらのデータは「統合データベースdbTMM」に格納され、疾患関連の遺伝子探索や新薬の開発に利用されているのです。
このたび、株式会社シード・プランニングは、東北大学東北メディカル・メガバンク機構から「統合データベースdbTMM利用支援事業者」として登録されました。同社は、研究者や企業からの委託を受け、TMM計画で収集された試料や情報を用いた研究をサポートしています。
シード・プランニングの支援内容
シード・プランニングは、情報や試料を活用した研究の支援を行っています。具体的な支援内容は、以下の2つの段階に分かれています。
研究開始前の支援
- - プレリサーチの提供: 統合データベースdbTMMから、研究に適した情報や試料を検索し、利用可能なデータを確認する支援を行います。
- - 申請・契約手続きのサポート: 研究がスムーズに開始できるよう、必要な申請や契約の手続きについても支援します。
研究開始後の支援
- - 進捗管理のサポート: 研究が順調に進行しているかどうかを監督し、必要なアドバイスを行う支援を提供しています。
- - 会議や市場調査の運営: 関係者との会議の事務局運営を行い、研究成果を最大限に活かすための市場調査も実施します。
TMM計画の概要
東北メディカル・メガバンク(TMM)計画は、個別化医療の実現を目指し、さまざまな健康情報や試料を収集しています。収集されるデータは、ゲノム情報(SNPや全ゲノム解析)、健康調査情報、オミクス情報、画像情報など多岐にわたります。これらの情報は、疾患リスクの評価や新たな薬剤のターゲットの特定などに活用されています。
研究活用の具体例
TMM計画では、収集された情報を基にした創薬研究の実例が豊富に存在します。例えば、慢性疾患における有効な遺伝子ターゲットを探る研究では、15万人規模のデータを利用してリスク因子を特定し、創薬ターゲットを同定しています。製薬企業はこれを基にして、新薬の開発を進めています。
また、食品・化粧品業界においても、遺伝情報と生活習慣情報を基にした個別化商品の開発に寄与しています。これにより、ターゲット市場を絞り込んだ科学的な裏付けが得られ、効果的な製品開発が行われています。
研究利用の方法
TMM計画で収集された情報は、「分譲」と「共同研究」の2つの方法で利用されます。分譲は、一定の手続きを経て、データを研究者に提供するものであり、共同研究はToMMoの研究者と共にデータ収集や解析を行う形です。これにより、アカデミアや企業が積極的に研究に参加する仕組みが整っています。
お問い合わせ
研究支援や情報利用について詳しく知りたい方は、シード・プランニングの担当者までご連絡ください。
このように、シード・プランニングは東北大学のメディカル・メガバンクにおいて、充実した研究支援体制を整えています。今後の医療研究の発展に向けた取り組みが期待されます。