診療の効率化を図る診療アシスタント育成プログラム
近年、地域医療の維持は重要な課題となっている中で、医療法人社団やまとが新たに開発した診療アシスタント育成プログラムに注目が集まっています。このプログラムは、地域医療の現場での効率的な診療や医師、看護師の負担軽減を目的とし、その役割をしっかりと担える人材の育成を進めています。
診療アシスタントとは
診療アシスタントは、診療現場において医療行為を除く業務を主に担う職種です。医師や看護師が専門的な業務に専念するための環境を整えるため、2013年に開業したやまと在宅診療所登米において導入されました。現在では、法人内の計11拠点でその重要性が認識され、全国から多くの視察が訪れる存在となりました。
診療アシスタントの主な業務内容
診療アシスタントが取り組む業務は大きく3つに分かれます。まずは、診療補助業務。診療スケジュールの管理や医療物品の準備、診療記録の代行など、多岐にわたります。次に地域連携業務。外部医療機関や介護サービスとの連携を担い、患者ケアにおける情報共有を促進します。そして、最後に事務的業務として電話応対や書類管理を行います。
育成プログラムの特色
この育成プログラムは、やまとが過去12年間に蓄積したノウハウを基に構築されており、医療業界未経験者でも3ヶ月間の研修で即戦力として活躍できるスキルを身に付けることができます。具体的には以下の3つの要素で構成されています。
1.
シラバス:診療アシスタントが理解すべき患者や医療チームとの関わりを整理。
2.
ラダー:成長段階を可視化し、研修の進行状況を追跡できるシステム。
3.
攻略本:業務の流れや注意点を詳細に解説したマニュアル。
このように精緻に設計されたプログラムにより、育成力の向上や人事評価システムの整備が期待されます。特に、シラバスとラダーによって求める人物像が明確化され、正確な人材選考が可能になります。
今後の展望
やまとは、診療アシスタントの育成プログラムを他の医療機関にも提供する方針で、教材の書籍化や法人内での研修実施を進めています。さらに、実践経験を積んだアシスタントに複数のキャリアパスを示すことで、やる気とモチベーションの向上を図ります。
医療法人社団やまとについて
やまとは、2011年の東日本大震災をきっかけに結成された医療支援チームを源流とし、2013年から登米市に在宅診療所を設立して以来、地域に密着した医療提供を続けています。現在は宮城県内に10カ所、さらには他県にも診療所を展開するなど、持続可能な医療の実現に向けて様々な取り組みを行っています。
これからもやまとは、地域の医療資源を最大限に活用し、地域住民に寄り添った医療体制を構築していくことを目指します。地域医療を支える診療アシスタントの重要性はますます高まることでしょう。